「オレも売りたくて売ってるのではない」

 ある運用担当者の愚痴です。三月決算を控えた法人による株の売却は恒例行事ですが、今年は真空地帯に大量の売りを出し、さらに値が下がり自分の首を絞めています。(案の定、その直後は三日連続の急反発)

 市場が最も嫌うのは先が読めないことです。例えば、二年前に米国が仕掛けた中国への関税引き上げ。悪材料には違いありませんが、一年間の米中の貿易総額に、上乗せされる税率を掛ければ、米国の企業や消費者が被るであろう損失の最大値が計算できます。どんなにそれが大きくても、最悪シナリオが見えたら株価はまずそれを織り込んで、その後、事態が好転するのを織り込み直せます。

 ところが新型コロナウイルスの蔓延は、いずれワクチンが出来るのでしょうが、それまでの経済的損失の金額、範囲、時間が計算できない。こういう時は理屈抜きで売るしかないのです。

 機関投資家やヘッジファンドが個別企業の事情を全く無視した売買を、同じ様に繰り返しています。【のび太】