なぜ中国政府はアリババの子会社アント(アリペイを運営)の上場を阻止するなど、巨大化した民間企業を潰しにかかるのか。

出回っている解説は、習近平国家主席は民間企業の影響力が共産党を超えるのは許さない、といった抽象的な内容です。しかし、その内幕は非常に合理的な判断のようです。

フィンテック企業(ITを駆使した金融サービス)のアントは、社会主義制度で身を守りながら市場を独占し、資本市場で強欲に利益を追求していました。

例えばこうです。個人へ金融商品を販売し、集めた資金を国営銀行の預金に入れて鞘を抜く。リスク隔離なしに金融事業と実業を混在させる。親会社が金融子会社の利益を流用。アントの融資残高は、なんと自己資本の十倍超え。

彼らはハイリスクな取引で利益を求め、リスクは国営銀行や国民に押し付けた。放置できるはずありません。政府の介入は、メンツと投資家を守るためだったのです。同時に、民間企業を統制下に置いて、この分野で世界の覇権を握る準備なのです。【のび太】