アメリカでの銀行破綻は、健全経営であってもうわさで簡単に破綻に追い込まれることを教えてくれました。逆に言えば、財務内容が悪くてもみんながあそこは大丈夫と信じて取り付け騒ぎにならなければいつまでも潰れません。

　今、日本で国内銀行が絶対潰れないと信じる人は多分いません。地銀の経営が厳しいことは周知ですし、雑誌は危ない銀行を名指しする。それでも預金者がのんびり構えているのは「銀行が潰れても預金は返ってくる」と信じているからです。

　多くの人は、日本でペイオフは発動されない、いざとなったら国は銀行を助けて潰さないと思っています。それでは困るので、国は２０１０年に日本振興銀行を使ってペイオフの実例を作り、いざとなったら助けないことを示したのですが、あの時は入念な準備をして被害は極端に少なく収束させたので、ペイオフ発動第一号！の衝撃は皆無でした。

　金融パニックだけは避けたい。だからペイオフは日米とも実質的に発動できないのです。【のび太】