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株式コラム・410 リートに異変

株式コラム・410 リートに異変

 国内、約七十種類の上場リート(不動産投資信託)の中で最も規模が大きく、ベンチマーク的存在が「日本ビルファンド投資法人(NBF)」です。三井系のオフィスビル・リートで資産規模は一兆四千億円。

 先に発表され決算資料によると、「従来予想より稼働回復が後ろ倒しになる」ので「二年後の44期の賃貸収入をボトムと想定する」とあります。

 リートは保有不動産からの賃貸収入を投資家に分配するしくみですが、賃貸収入だけでは分配金が維持できなくなっているのです。資料にはこうもあります。「今後は継続的な物件入れ替えによって内部留保を毎期取り崩して分配金に充てる」と。つまり含み益の物件を売り、売却益を充当する。それでもなお減配になる。賃貸収入が伸びないのです。 最大規模、最良物件を有するNBFだから、売却益の充当という芸当が可能であって、小規模で、後ろ盾スポンサーが力不足のリートは、今後、減配リスクが増大しそうです。もし日本でも利上げとなると事態はさらに悪化します。

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